【漫画】亜人(3) の感想
亜人(3) (アフタヌーンKC)<あらすじ>
救出に現れた佐藤と共に研究所からの脱出を試みる永井圭だったが、無抵抗の研究者まで殺害しようとする佐藤と対立する。佐藤は、亜人が生き返るとき回収できなかった体の部位は新しく作られる、もしそれが頭だったら、新しく作られた頭は、脳は、心は今の君なのか? と「亜人の死」について語り、断頭されることを恐れた永井は黒い幽霊で応戦し放水路に逃れることに成功する。
同日来日した亜人研究者オグラ・イクヤ博士は、亜人の持つ黒い幽霊(IBM)についての見解を語る。IBMは亜人が生み出す透過率100%の未知の物質で構成されており人間には見えないという。しかし、強い殺意を向けられた佐藤の黒い幽霊を研究者は目撃していた。
この日、永井圭捕獲とオグラ・イクヤ来日で研究所には多くのマスコミが集まっていた。佐藤の本当の目的は、
非人道的な亜人研究を暴露し政府へ抗議することをカムフラージュに使い、日本国内の亜人に集結のメッセージを送ることだった。
今回の件で失脚を恐れた戸崎は、佐藤襲撃に乗じてオグラ・イクヤ博士の死亡を捏造し拉致していた。彼には昏睡状態にある婚約者を治療するために金が必要であり、失敗は許されないのだった。
<感想>
亜人という不死の存在の謎とその能力を使った戦闘シーン、登場人物や組織の対立関係が徐々に明らかになって動転ぶかわかない展開などが気になる作品です。
相変わらず主人公・永井圭の性格(合理性や善悪の判断)がブレていてつかみ辛く感情移入できないのですが、徐々に安定して人間らしくなっていくのかな? もう人間ではないのだから思い切って人間やめてもいいと思うんですけれどね。ともかく物語は転がり始めました。逃亡した永井圭はどうする?佐藤・田中は亜人を集結させて何をはじめるのか?それを追う戸崎は? 気になるのは戸崎の部下の下村泉です。彼女は亜人ですが所属する組織のことをはじめ、自身の事である亜人についても詳しくは知らないようです。何も知らない読者と同じような立場です。そこへオグラ・イクヤ博士が加わったことで彼女を通して読者に種明かしがされていくという形になりそうなのでとても親近感が湧いています。
亜人については依然として謎が多いものの、死からの再生や黒い幽霊の特性などが徐々に明らかになってきました。興味深かったのは、佐藤が話した「亜人を断頭して体から遠ざけると切り離された頭の意識があるうちに新しい頭が生え変わって復活する」という下り。亜人にとって脳と記憶は失っても再生可能でさほど重要ではないということなのでしょう。去年話題になったツブアンマン(アンパンマンの古い顔に意識があったら)を思い出しました。ここで「頭の生え変わったて生き返った人物は以前と同一人物なのか?」という議論が出てきますが、個人的には「同一人物」と考えます。「自身に過去からの連続した記憶があり、自分が何者か認識している」「第三者がコミュニケーションを取り同一人物と判断できる」場合は同一人物でいいんじゃないかと。仮に断頭された首を延命できる医療技術があったら同一人物が増えていくわけですね。
まだ不明な点としては、亜人の体の再生が始まる「死」というスイッチの条件と、亜人には肉体以外に本体のようなものがあるのか?ということ。真っ二つにしてもプラナリアのように二体にはならなさそうなので。
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