【漫画】ちはやふる(23) の感想

＜あらすじ＞
名人位・クイーン位挑戦者決定戦最終盤、綿谷新と原田先生の一戦は原田先生の勝利で幕を閉じる。ベテラン原田が読手と二人で勝ち取った勝利であった。どうしたら勝てるのか悩む新は、声をかけてきた千早に、昔から変わらずかるたを楽しむ姿を見て告白する。「好きや、千早。大学は東京に来ようと思ってる。一緒にかるたしよっさ」
期末試験が終ったころ須藤から周防名人との練習試合の連絡をもらった千早と真島は東京大学かるた部の練習場を訪れた。周防名人と対戦した千早は「かるたをコントロールしようとする」周防名人のスタイルに戦慄しながらも、挫けず勝つ為の方法を模索して行く。そんな千早に苛ついた周防名人は「クイーンにはなれないよ」と声をかけ、千早の心を傷つけた。その後対戦した真島も周防名人のスタイルを知り、感想戦で「相手にミスをさせることをだけを考えるスタイルを魅力的だと思う自分が居る」という周防名人の本心を聴いた。
周防名人との練習試合以降かるたに集中できない千早だったが、筑波家のクリスマスパーティでかるた部の面々と楽しく過す中で吹っ切り、また新への強い想いを自覚して行く。
そして、冬の近江神宮で名人戦・クイーン戦がはじまる。

＜感想＞
原田先生がついに名人位挑戦者に！巻頭からもう号泣する展開です。原田先生の言葉はいつも心に突き刺さります！次巻で原田先生VS周防名人が見れるのかな、ワクワクします。惜しくも破れた新も試合中に掴んだことが多く、さらに成長していくでしょう。そして、勢いで千早に告白（というか「結婚して下さい」レベルなのでしょう）してしまいました。それを聞いた千早が許容量を超えてぶっ倒れる様は笑えました。巻末で気持ちが整理されるまでずっと上の空だったんでしょうね。この告白を受けてかるた部の恋愛模様も動き出すような出さないような。ちはやふるはスポ魂漫画なのであまり恋愛方面には行かないと思いますが、真島を傷つけまいと必至にフォローする菫ちゃんが可愛いですし、周りばかり気にして実は自分のことは意外と見えていない大江さんもいい味出していました。

そして、周防名人のスタイルが明らかになりました。試合に「勝つ」ためではなく「思い通りにコントロールする」ためのぶっ飛んだスタイルでした。うーん圧倒的に強過ぎますが、後ろ姿がちょっと寂しそうでした。誰にも理解されず孤独な天才は相手を弄ることでしか、人と関係を持てないのか。かるたの試合もまるで「かまってちゃんしているいじめっ子」のように見えました。

一方のクイーン若宮詩暢も孤独な様子が描かれています。こちらは「かるたしかない」とまわりに壁を作っているタイプですが、この名人とクイーンに通じる孤独描写は、原田先生、瑞沢かるた部、猪熊元クイーンとの幸福描写と対比されてよくでてきます。この二人が救われることも大きなテーマなんでしょうね。

さて、次巻はいよいよ名人戦・クイーン戦です。どう展開して行くのは待ち遠しい！！