【漫画】自殺島(10) の感想
自殺島 10 (ジェッツコミックス)
<あらすじ>
サワダの集落から偵察にきて捕らえられた3人の処遇について話し合いが行われたが、殺すべきだと考えるリーダー・リュウと殺したくない仲間たちとの間で意見が衝突した。サワダにマインドコンロールされている彼らを仲間にすることも難しく、結論は先延ばしにされた。その夜、仲間を目の前で殺された恐怖とこれからも失うかもしれない不安を押え切れないリュウは3人を屋上から突き落として処刑した。
リュウと口論になったセイはコミュニケーションを断ち山へ入るが思うように狩りに集中できなかった。リヴと話しながらセイは「自分が相手をわかろうとしてなかった」ことに気付く。
一方、サワダは成果を出さないカイや仲間たちに最後のチャンスとして集落を襲わせた。カイの作戦は失敗に終ったが、女達を助けようとしたトモが人質にとられてしまった。集落のノロシを見て戻ってきたセイだったが、時すでに遅く、トモが連れ去られた後だった。
トモを助ける為にすぐに追撃しようとするセイにリヴは自らが戦う事を決意し、それを理解したセイはリヴと共に救出に向かう。
<感想>
この作品は毎回「生きる」ことや「社会」について毎回考えさせられます。
皆を守ること、リーダーであることに神経質になって倒れてしまう真面目なリュウ。
そうしたリュウの本質を見抜いて介抱するレイコ。
自分のコミュニケーションに足りなかったものに気付いたセイ。
待つだけでなく前に進もうとするリヴ。
守ってくれるものが無いからこそ、自分で考えて一つ一つ学んで行くことができる。
気付きや学びが得られにくい現代社会の歪さを考えさせられます。
さて、トモを助けるためとはいえ、これまで防戦一方だったセイたちが攻勢に転じることになりました。サワダの集落との衝突は避けられそうにありません。冒頭の捕まえた3人の処遇について話し合うシーンもそうですが、いろいろな場面で生かす、殺すの決断をしていくことに頭を悩ませることになりそうです。リスクはできるだけ排除したいけれど、殺したくない、でも生きるには殺すしかない。殺し合いの連鎖になるのも避けたい。
その点、考えや行動に揺るぎのないサワダは強いですね。良いか悪いかは別にして生き残るのはブレないやつ、なんですよね。サワダが未遂者っていうのがちょっと想像できません。
それぞれの登場人物がどんな決断をしていくのか見守りたいと思います。
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